昭和12年に開校し、72年の歴史を刻む武小学校。鹿児島中央駅界隈(かいわい)の商業地のほか、西郷屋敷跡や田の神さぁなどの史跡も残る表情豊かな地域にあります。
「全校児童そして地域の方々も含めてボランティア活動に積極的に取り組んでいるのがこの学校の特徴です」とは刈川澄秋教頭。アルミ缶を回収し、収益金で社会福祉協議会や校区内の老人ホームへ車いすを贈る活動は8年間続いている代表的なもの。今では地域住民も学校へ空き缶を持参してくれるようになりました。そのほか地域の清掃をしたり、児童各自がマイボランティア計画を立てて取り組んでいます。
ボランティア精神を育んだ子どもたちが中学生になると、地域でも俄然(がぜん)本領を発揮します。「おはら祭りや夏祭り、運動会など地域行事では中学生が大活躍してくれますよ」とは武町内会文化部の柴立順子さんと木原惠子さん。運動会では運営や審判を務め、夏祭りではヨーヨー釣りや綿あめの店を切り盛り。おはら祭りでは、大きな掛け声で参加者を盛り上げてくれるのだとか。
「大人が何でも決めてしまうのではなく、子どもたちにも運営を任せると、参加者も多く、より盛り上がるんですよ」という言葉には、子どもたちを育てようとする温かい目が感じられます。
武町内会副会長の西正行さんは、小学生のころからこの地に暮らししてきた一人。 家の中にこもってしまいがちな今の子どもたちにも地域を知ってほしいと4年前から町内会で〝武岡ウォーキング〟を始めました。それは、「この地域から武岡に登ると、桜島はもちろん大隅まで見渡せるすばらしい眺望が広がります。かつて西郷さんも眺めたこの壮大な景色に、合おうと思えば毎日でも合えるのです。子どものうちから住まいの周辺を探訪することで、ふるさとへの思いが蓄積されていけばうれしい」との考えからだとか。
「例えば、“神社で遊んだなあ”など、子どものころの記憶は鮮明です。私たちがそうであるように、今の子どもたちにもふるさとの思い出を持ってほしい」と柴立さん。
そんな地域の大人たちの思いは、さまざまな行事を通して、きっと子どもたちにも伝わっていることでしょう。

