目の前には波静かな錦江湾、背中には雄大な桜島。そんなでっかい自然に見守られながら、毎日子どもたちが学んでいるのが鹿児島市立桜峰(おうほう)小学校です。
1学年は1クラス、児童数74人(11月現在)の小規模校でですが、今年創立110年を迎えた歴史ある同校。モットーは「一歩前進~やる気・元気・根気~」。「本校の自慢は、“マグマっ子”たちの素直さと豊かな自然を生かしたさまざまな取り組みです」と教えてくれたのは校長の前田美保子さんです。中でも桜島ならではと言えるのが特産品の「桜島大根づくり」。毎年3年生が総合的な学習の時間を使い、種まきから収穫、市場への出荷までを体験します。
学校のすぐ裏の高台に広がる畑で、おいしい大根に育つようにと、世話を頑張っているのは子どもたちばかりではありません。「耕すときの力仕事は保護者の出番。そして何よりありがたいのは地域の大根づくりの名人、濵平さんと山中さんの力添えなんです」と前田校長。農作業のかたわら、自分のことのように毎日気にかけながら、収穫までを導いてくれるのだそう。
収穫のあとは、名人を招いて「大根パーティー」。ブリ大根をはじめ、いろいろな料理を保護者が作り、子どもたちとともに感謝の気持ちを表します。“世界一の大根”は、おいしさだけでなく、大切な教えもたくさん詰まっていることが分かります。
取材にお邪魔した日はちょうど学習発表会が行われていて、保護者も幼児も地域の人も、リラックスした様子でにこやかに子どもたちの発表を見ていました。普段着の温かさを感じるのは、校区の規模だけが理由ではないようです。子どもの姿や教育の現場をどんどん見てもらおうと、月に1度設けられている自由参観日。「仕事の都合もつけやすく、学校へ顔を出しやすくなったと父親たちにも好評ですよ」と言うのは校区公民館運営審議委員でおやじの会会長の栗田誠一さんです。
このおやじの会、愛校作業や行事の準備に片付けといった力仕事はもとより、親子シーカヤックやカーブミラー磨き、他校のおやじの会との交流など、活動も盛ん。「最近はおやじの会ご指名で、何かやっての声も多く、忙しいですよ」と言いながらも頼もしい笑顔です。お山と海と地域の人たち。大きくて、強くて、優しい力で見守られ、支えられている桜峰校区でした。

