鹿児島市街地から北に4・5km、標高140mの丘の斜面に造成された住宅地の中に、大明丘小学校があります。今年で創立38年、大明丘団地の誕生とともに生まれた同校区は、まわりを緑の山に囲まれ、史跡も多く、これらを生かした校区の取り組みが盛んです。
「明治のはじめに活躍した桐野利秋(中村半次郎)や西郷さんの介錯をした別府晋介の生家があったり、島津斉彬の集成館事業の動力源のために作られた水路など、豊かな歴史的文化遺産が残っているんですよ」と教えてくれたのは、大明丘校区公民館運営審議会委員の中島享一さんです。
史跡を親子で訪ね、昔の様子を想像しながら語り合うことで、親子のふれあいや地域への愛着をさらに深めてほしい、と作られたのが「校区史跡マップ」。平成17年度は実方編、続く18年度は雀ヶ宮編がまとめられ、全児童の家庭に配られました。8月に行われた「校区歩こう会」では、約150人の親子が集い、雀ヶ宮編を使って、地域の史跡を巡って歩いたそう。
「マップを作るために、特別に始めたのではなく、今までの活動を一歩進めて、形にしたもの」。だからこそ家庭で、地域で活用してほしいと中島さんは語ります。
参加した子どもたちと大人が世代を越えて交流できる校区歩こう会。こうした異年齢集団での活動から多くのことを学んでほしい、と同校内でも特徴的な取り組みがあります。「1年生から6年生までを18のグループに編成し、年間を通して校内の掃除などをする、竹の子グループの活動です。時には運動や音楽を一緒に楽しむこともあります」と話すのは同小学校の教頭、鮫島清高さんです。上級生はリーダーシップを、下級生はそれを助けて動く…。それぞれが自分の役割に気づき、進んで行動する力がつくのだと言います。
大明丘小学校のキャッチフレーズは「花と歌声と読書に満ちた学校」。中でも読書には特に力を入れていて、毎朝10分間の「朝の読書」や読み聞かせなどのさまざまな取り組みで、読書指導をしています。「年間の目標は50冊ですが、100冊以上を読む子どももいますよ」。読書習慣がつくことで国語力が上がるだけでなく、ほかの教科での理解度も高まります。そして、気持ちを整え、自分を見つめる力がつくと鮫島教頭。
史跡や本と向き合うことで膨らむ想像力。豊かな心を育んでいる大明丘校区です。

