鹿児島市のほぼ中央にあり、照国町、平之町、西千石町、加治屋町、山之口町、千日町、東千石町、中町の8町から成る山下校区。城山のふもとに位置し、西郷隆盛をはじめ、明治維新前後に活躍した、多くの偉人を輩出した土地として広く知られています。
こうした土地柄でしょうか、山下小学校の校訓は、『負けるな、うそを言うな、弱い者をいじめるな』。「郷中教育そのままの教えですが、どの時代にも通じるすばらしい言葉です。もっと分かりやすく伝えようと、子どもたちの生活に則した、山下の十訓もあるんですよ」と教えてくれたのは山下小学校の吉留孝信校長です。朝の会や帰りの会で毎日一つずつ、「山下の子どもは、正しいことを守りぬく」など、担任に続いて声を合わせているのだそう。
継承しているのは校訓だけではありません。日曜城山登山、妙円寺遠行、薩摩義士記念相撲・綱引き大会など、学校と地域が連携のもと、今も多くの伝統行事や歴史ある校内行事が続けられています。
中でも特徴的なのは、毎日曜に開催される「日曜城山登山」。毎回全校児童の約3分の1という100人以上の子どもと、あいご会、町内会、教師が朝7時には集まり、歩いて城山へ登ります。上に着いたら、清掃活動をしてラジオ体操、季節の歌や校歌を歌うという内容。「短い時間ですが、たくさんのものが生まれて、子どもの力になるんですよ」と言うのは、あいご会会長の西村光行さん。
階段を上ることで、足腰が鍛えられ、続けることで自分に負けない力がつく。さらに、児童と教師、保護者と教師の間で、学校だけでない交流や親子の結びつき、地域の世代間交流にも。「そこにある城山でできることを活用しないのはもったいない」と吉留校長も西村さんも同意見です。
学校の回りを見渡すと、県下一の繁華街、天文館もあります。商業ビル、マンションが取り囲む中にあって、校庭を毎朝裸足で走る子どもたちの姿。鹿児島県総合教育センターの研究提携校として、新しい教育にも取り組みながら、こうした伝統を大切にする同校を地域も温かく見守り、応援しています。
「山下小に通っていたことを誇りと思えるような、そして心に鹿児島が生き続けるような、そんな校区でありたい」と語るのは西千石町内会長で同窓会長でもある妹尾博隆さん。来年は創立130周年の同校。新旧の山下っ子の力で盛り上がることでしょう。

