海から学び、山から教えられる、たくさんのこと
鹿児島市の中心部に位置し、南林寺・新屋敷・松原・新町・堀江・住吉・船津・千日・樋之口の9つの町からなる松原校区は、マンションや商店、企業などが密集した商業地域にあります。ここ松原小学校で毎年実施されている伝統行事が「錦江湾横断遠泳」です。昭和41年の創立90周年を機に復活して以来、42回目となる今年も、「海に挑み、未来に挑む」を合い言葉に、7月23日(月)の本遠泳に向けてたくさんの子どもたちが毎日練習に励んでいます。
この遠泳を実施する母体となっているのは「松原小学校水泳同好会」。錦江湾横断遠泳への挑戦を希望した4年生以上の子どもの保護者で結成される組織です。「私たち親は、子どもたちの泳ぎたい! という目標をかなえるために支えて、準備するだけです」と話すのは今年の同好会会長の伊地知まゆみさん。ひと口に準備と言っても、本遠泳までの練習の付き添いに始まり、漁協、監視船の船頭さん、海上保安庁など関係機関への協力依頼など、やらなくてはならないことが多く、子ども同様に親たちも5月から7月までを忙しく駆け抜けます。
そしてこの活動を金銭面で支援するのが「松原校区教育振興会」。地域の企業や住民に会員となってもらい、その会費で資金を援助。まさに校区民あげての支援です。「松原小と言えば遠泳、と言われるくらい定着していますが、地域の力なくしては、成り立たないですね」。松原校区公民館運営審議会委員長の増田敏雄さんをはじめ、長年この活動を支えてきたみなさんは声をそろえて言います。
苦しい毎日の練習に耐え抜く姿、挑戦1年目の赤帽さんに声を掛けて励まし、泳ぎをリードする上級生。みんなでゴールを目指して「エンヤコーラ」と泳ぎきる力。短い期間にぐんぐん成長していく子どもたちを見ていると、どの大人も尽力せずにはいられないという様子です。
「これは思い出作りや体力作りだけではないのです」と話すのは同小学校教諭の古栫真也さん。今年は9人の先生が同好会から委嘱されて、指導にあたっています。苦しい練習は、体力と気力を充実させて本番に自信を持って泳ぐため。そして思いやりや規律を守ることはみんなの安全のため。どれにも理由があることを体得して、やり遂げて自信を得る子どもたち。そんな成長を家庭、学校、地域が一体となって見守り、支えているのが松原校区です。
